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December 27, 2009

アントレプレナーシップ教育における知財教育の検討ワークショップ振り返り

12月19日(土)。この冬最大の寒波との一報を聞いた朝、小雪が降り続く中、午前10時より『バーチャルカンパニー大起業市場 in 愛知学院大学』の『アントレプレナーシップ教育に係る知財戦略 検討ワークショップ』が開催されました。北は群馬県前橋市から、西は大阪府寝屋川市から報告者に来ていただき、地元名古屋からの報告者と参加者が加わり、熱のこもった検討が行われました。

今回のワークショップは、経営学部等の文科系領域における教育実践を行う中で直面する「知財」に関する問題をどのように捉え、いかに解決していくかを検討することを目的としていました。愛知学院大学のバーチャルカンパニー・プログラムでは、今までアントレプレナーシップ教育のみに注力し、知財教育あるいは知財戦略については、全くと言ってよいほど視野に入れてきませんでした。同プログラムを導入する他大学でも同じような状況にあると判断しました。

そこで、2つの点で「知財」をバーチャルカンパニー・プログラムに導入する時期に来ていると考えました。第1 は、学生自らが「考え、提案するアイデアや事業構想」の何が知財管理の対象となるかの判断基準を持つ知財「教育」、第2 は、企業と共同開発する場合の知財管理に係る交渉のステップと内容(契約内容等)の知財管理「インフラ」です。

検討にあたっては、最初にアントレプレナーシップ教育を実践する教育支援者2名から「産学連携起業家教育の問題点」を提案し、次に知財管理及び産学連携専門家2名より「知財管理と指導面のポイント」を指摘していただき、それを受け、最後に問題の所在の再検討と対策についてフリーディスカッションいたしました。

詳細は別に作成するレポート(愛知学院大学経営学会刊『経営学研究』に掲載予定)に譲りますが、ここでは、私がワークショップでの情報交換を通じ考えたことを列挙してみます。
①バーチャルカンパニー・プログラムを通じた起業家活動は「世の中に新たな価値を創造するプロセス」の実践であることを、取り組む学生と支援者が自覚するべきである。
②産業財産権が、絶対的独占権であることの意味を理解する必要がある。
③アイデアと考案の違いを自認できるような内部評価は必須だ。

これらのことは知財等を研究するか、仕事として実践している方々にとっては当然のことばかりであろうと思います。いままで、教育の一環として「学生のための勉強」に主眼を置き支援してきた教育者にとり、少なくとも私にとり、無頓着でありすぎたことであったと反省しています。他方、私達が実践するようになったアントレプレナーシップ教育は、「学生の発案を、企業等との連携を通じリアルな商品(製品・サービス)開発を行うステージ」に入っていた。真剣になればなるほど、リアルに近づけば近づくほど。故に、無頓着でいてはいけない。これが今の正直な気持ちです。今後は、いかなる内容の教育プログラムであろうとも、知財教育と管理の要素を持たないアントレプレナーシップ教育は不完全と言えよう。

ワークショップ開催の趣旨の詳細と報告者については、「chizai_kyoiku_ws.pdf」をダウンロードしてください。

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