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November 06, 2015

あいちコミュニティ財団『住友理工あったか未来基金』の審査員としてお招きいただきました

名誉なことに標記審査員に選ばれただけでなく、審査委員長の大役を仰せつかりました。
以下は、私案としての総評です。

住友理工あったか未来基金 総評

 『住友理工あったか未来基金』(以下、「あったか未来基金」)は、深刻化する子どもの問題解決に取り組んでいる市民公益活動団体(NPO)を対象に、「新たな工夫で困難な状況に置かれた子どもたちの未来を創造する活動をサポート」するしくみだ。この基金の成り立ちにも注目すべきであろう。社会貢献意識の高い住友理工社員による資金提供に会社側も応えて設立された一般社団法人があり、ここが基金の母体となっている。基金名には「すべての子どもがあたたかな未来を描けるように」との意味が込められているが、出自から心のこもったあったかいお金なのだ。

 この「あったか未来基金」の運用にあたるのが公益財団法人あいちコミュニティ財団だ。同財団には活動の成長段階にあわせた「ホップ→ステップ→ジャンプ」のサポートがあり、「あったか未来基金」は「新たな工夫を社会実験する」ステップ段階の役割を担う。すなわち、この段階は、自分たちが考案したことが社会性を持ち、そして利用者の要望に応えることができるか否かを検証する大事な局面であり、今回で言えば、子どもたちの未来を創造する工夫の検証である。
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 こうした「あったか未来基金」の助成とステップ段階への挑戦にふさわしい団体を、5名の委員によって選考した。一次審査を通過した4つの団体の中から、「社会課題の深刻さや緊急性」「ビジョン・社会課題・申請事業の整合性」「申請事業の具体性や実現可能性」「団体・事業・社会に与えるインパクト」「スケジュール・実施体制・予算の適切性」という基準を踏まえ、書類による事前審査、当日のプレゼンテーションと質疑応答の2段階で選考し、以下の3団体に決定した。
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 いずれの団体も、子どもたちを取り巻く社会課題の現実を見据え、本気で課題克服に取り組む大人達であった。それらは、「しっかりと地元行政の取り組みの限界を把握し、子どもの学びに向け、自身が他の活動で育んだ人財を効果的に生かす工夫」、「ダブルリミティッドの根源となる乳幼児期の子育て支援の工夫」そして「音楽を通じた子どもが社会参加する工夫」等、いずれも制度の谷間で解決が一様ではない課題を捉えたものばかりだ。
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 その一方で、工夫の中には、いささか理に適わないもの、蛇足のあるものも見受けられた。そこで、助成が団体の目的達成に効果的なものになるよう、選考委員会から改善点を要望として出させていただいた。選考を通過した団体には耳の痛いことであったかもしれない。選考委員会は行政、産業、非営利、教育の各セクターから選出されており、コトを推進する専門家でもある。委員会の声は社会の声でもあり、耳を傾けていただけることを期待する。あわせて、各団体が社会実験の結果を検証し、進化した工夫をもってジャンプの段階へと進むことを祈念し、総評を締めくくりたい。

文責:
公益財団法人あいちコミュニティ財団「住友理工あったか未来基金」
2015年度選考委員会 選考委員長
鵜飼宏成(愛知学院大学 地域連携センター所長・経営学部教授)

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